IT導入補助金との違いは? デジタル化・AI導入補助金2026の変更点

「IT導入補助金で調べたのに、出てくる名前が違う」。この制度は2026年からデジタル化・AI導入補助金に名称が変わっています。
ただし、中身がまるごと入れ替わったわけではありません。何が変わり、何が変わっていないのかを整理します。
この記事でわかること
- 名称が変わった経緯と、変わった部分・変わらない部分
- 4つある申請枠と、自社がどれを見ればよいか
- 申請前に済ませておく手続きと、その所要日数
名前が変わった。仕組みは大きく変わらない
令和7年度補正予算の事業から、「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。2026年の公募は「デジタル化・AI導入補助金2026」として行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変わったこと | 名称。支援の対象が「AIを含むITツール」と明記された |
| 変わらないこと | 基本的な仕組みと補助対象。中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する考え方 |
| 名称変更の狙い | AIを活用した業務改善の可能性を、中小企業に広く知ってもらうこと |
中小企業庁の担当者も、基本的な仕組みや補助対象は従来と大きく変わらないと説明しています(出典: ミラサポplus「中小企業庁担当者に聞く」)。過去に申請したことがある会社なら、大枠の流れは同じだと考えて差し支えありません。
AIの扱いがはっきりした
実務上の変化は、AIを含むツールが制度の目的として正面から書かれたことです。
- 生成AIを組み込んだツールも、登録されたITツールであれば支援の対象になる
- 「AIは対象になるのか」を、名称のレベルで迷わなくて済む
- ただし、どのツールでも対象になるわけではない点は従来どおり
AI導入を「補助金の対象か分からない」と保留していた会社にとっては、検討を始めやすくなったと言えます。
申請枠は4つ。構成は従来どおり
2026年の申請枠は次の4つです(出典: デジタル化・AI導入補助金2026 公式ポータル)。
| 枠の名称 | 想定される用途 |
|---|---|
| 通常枠 | 業務効率化のためのツール導入。多くの会社はここ |
| インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型) | 会計・受発注・決済など、インボイス対応に関わるもの |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバー攻撃への備え |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 複数の事業者が連携して取り組む場合 |
4つ目は、2025年の「複数社連携IT導入枠」が名前を変えたものです。枠の構成そのものは従来と同じと考えてよいでしょう。1社で完結する導入なら、まず通常枠を見るのが基本です。
「複数者連携枠」が向く場面
1社では取り組みにくいデジタル化を、複数の事業者でまとめて進める枠です。
- 商店街や協同組合で、共通の予約システムやキャッシュレス決済をそろえる
- 取引先どうしで、受発注のやり取りを同じ仕組みに統一する
- 同業の複数社で、同じ業務システムを共同で導入し、費用と学習の負担を分け合う
参加する会社どうしの合意形成には時間がかかります。まとめ役を1社決めておくと進みやすくなります。
申請前に済ませておく手続き
すべての枠で、次の2つが申請の要件です(出典: 公式ポータル「申請を行う前に必要な手続き」)。
| 手続き | 内容 | 所要日数の目安 |
|---|---|---|
| GビズIDプライム | 行政手続きで使う共通アカウント | おおむね2週間 |
| SECURITY ACTION宣言 | 情報セキュリティ対策に取り組むことの自己宣言(★一つ星以上) | おおむね2〜3日 |
締切の直前に動き出すと間に合いません。締切の1か月前には着手するのが現実的な目安です。補助率・上限額・締切日は枠ごとに異なり、公募回ごとに見直されるため、必ず最新の公募要領で確認してください。
変わっていない大事なこと
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 登録ツールが対象 | 自由に選んだソフトが何でも対象になるわけではない。導入したいツールが登録されているかを早めに確認する |
| 支援事業者と申請する | 制度に登録された支援事業者(ツールの販売・提供元)と共同で手続きを進める |
| 補助金ありきで選ばない | 使わないシステムだけが残る。順番は業務の課題 → 解決手段 → 補助金 |
3つ目がいちばん多い失敗です。業務の課題を洗い出す手順は最初の一歩は「業務の棚卸し」からにまとめています。申請書を書く前に済ませておくと、内容が具体的になります。
申請までの段取り
- 解決したい業務の課題を1つ決める
- その課題に効くツールを絞る
- そのツールが制度に登録されているか、どの枠かを確認する
- GビズIDプライムとSECURITY ACTION宣言を済ませる
- 公募要領で補助率・上限・締切を確認し、支援事業者と申請する
ほかの補助金も含めた全体像はAI導入に使える補助金ガイドで解説しています。
よくある質問
Q. 以前にIT導入補助金を使ったことがあります。また申請できますか。
A. 過去の採択が今回の申請を妨げるとは限りません。ただし要件は公募回ごとに定められるため、最新の公募要領で対象条件を確認してください。
Q. 生成AIの月額利用料は対象になりますか。
A. 制度としてはAIを含むITツールが支援の対象です。ただし個別のツールが対象かどうかは登録状況によります。ツール名で確認するのが確実です。
Q. 従業員5人でも申請できますか。
A. 中小企業・小規模事業者向けの制度なので、規模が小さいこと自体は不利になりません。
Q. ホームページの制作にも使えますか。
A. 情報発信が目的のホームページ制作は、原則として対象外です。ホームページの費用についてはホームページリニューアルの費用相場で、使える可能性のある制度を紹介しています。
まとめ
- IT導入補助金は令和7年度補正予算の事業からデジタル化・AI導入補助金に名称変更
- 基本的な仕組みと補助対象は大きく変わらない。AIを含むITツールが明記された
- 枠は4つで構成は従来どおり。1社なら通常枠が基本
- GビズIDプライム(約2週間)とSECURITY ACTION宣言は早めに済ませる
- 補助率・上限・締切は公募回ごとに変わるため、必ず公募要領で確認する
オフィスフジタは岐阜県美濃加茂市を拠点に、岐阜・愛知の中小企業のIT・AI導入を支援しています。どの業務から手をつけるべきかの整理から、補助金を見据えた導入計画づくりまでご相談ください。初回相談は無料です。AIコンサルティングの内容を見る / 岐阜の企業向けの支援を見る



