「無料のAIで十分だと思っていたのに、急に使えるモデルが変わると言われて混乱しています」。10月の第2週は、ChatGPTの大型更新、Geminiの無料プラン縮小、そして国内で続く情報漏えいという3つの動きが重なりました。本記事では、この3本が中小企業の日常業務にどう効いてくるのかを、来週の判断材料として整理します。

この記事でわかること

  • ChatGPTの新モデルGPT-6で、回答の「見え方」がどう変わったか
  • 10月9日からのGemini無料プラン縮小と、プラン別に使えるモデル
  • 国内で急増する情報漏えいと、生成AI利用時に最低限やるべきこと

1. ChatGPTがGPT-6に、答えが「操作できる画面」で返る

OpenAIは10月7日に有料プラン、8日に無料・Goプランへ新モデルGPT-6を展開しました。有料はSol、無料はLunaという名称です。

  • 何が起きたか: 回答が文章だけでなく、グラフ・入力フォーム・押せるボタンを含む画面(Intelligent UI)で返るようになりました。回答の表示開始は従来比で最大44%高速とされています。
  • 中小企業にとって: 「料金を変えたら利益はどうなるか」といった試算を、Excelを組まずに対話の中で動かせる可能性があります。表計算が苦手な担当者でも扱いやすくなると考えられます。
  • 今日からできる対応: 見積比較や勤務シフトなど、普段スプレッドシートで作っている1つを試しに相談してみる。

出典: Unite.AI

2. Gemini無料プランは10月9日からFlash-Liteのみ

Googleは個人向けGeminiアプリで、プランごとに選べるモデルを制限しました。10月9日からの対応は下表のとおりです。

プランFlash-LiteFlashPro
無料○××
AI Plus○○×
AI Pro / Ultra○○○

無料で使える「頭脳」が軽量モデルだけになるため、長文の要約や企画のたたき台づくりでは物足りなさを感じる場面が増えると考えられます。有料のAI Plusでも上位のProは使えなくなる点に注意が必要です。

対応の目安は、下書き作成など軽い用途は無料のまま、提案書や分析など品質が売上に直結する業務だけ有料に寄せることです。どの業務にいくら払う価値があるかの線引きは、AI導入コンサルティングでもよくご相談いただくテーマです。

出典: HelenTech

3. 国内で情報漏えいが急増、生成AI事故の経験は78.5%

NHKは10月6日、国内で個人情報の流出が相次いでいると報じました。セキュリティ会社は7月以降に被害が増えており、サイバー攻撃にAIが悪用されている可能性が高いと指摘しています。

また、デル・テクノロジーズ日本法人が従業員300人以上の企業の担当者1,227人に8〜9月に調査した結果では、過去1年に生成AI利用に関するセキュリティ事故を経験した企業が78.5%、内容の最多は情報漏洩(20.2%)でした。大企業中心の調査である点は差し引いて読む必要があります。

起きやすいこと今日からできる対応
社員が無許可のAIに顧客情報を入力使ってよいAIを3つまでに絞って社内に明示
攻撃メールの精度が上がり見分けにくい振込・口座変更は必ず電話で二重確認
退職者のアカウントが残る月1回、AIツールの利用者一覧を棚卸し

出典: NHK / 出典: 日本経済新聞

よくある質問

Q. 無料のAIだけで業務を回せますか

A. 議事録の下書きやメールの整え直しなら無料でも実用的です。一方で提案書や分析は、モデルの差が成果物の質に出やすいため、担当者1人分だけ有料にして試す形をおすすめします。

Q. GPT-6に切り替わると今までの使い方は変わりますか

A. 入力の仕方は変わりません。表やグラフで示してほしいときは、そのまま「表で」と頼むと新しい表示が使われやすくなります。

Q. 社員が勝手にAIを使っていないか心配です

A. まず禁止より「使ってよいツールの一覧」を決めるほうが実務的です。そのうえで、顧客名・マイナンバー・単価表は入力しないという3点だけ先に周知してください。

まとめ

  • ChatGPTはGPT-6に更新され、回答がグラフやフォームとして返るようになりました。
  • Geminiは10月9日から無料プランがFlash-Liteのみ、AI PlusもProが使えなくなります。
  • 国内の情報漏えいは7月以降増加傾向で、AIの悪用が疑われています。
  • まずは「使ってよいAI」と「入力してはいけない情報」を決めるのが先です。

自社の業務のどこにAIを入れ、どこは止めておくべきか迷われている場合は、AI導入コンサルティングからお気軽にご相談ください。